Technics FMチューナ ST−9300

訂正: テクニカルガイドの リンクが正しくありませんでした。    2020/12

このFMチューナは 1970年代に 高級FMチューナ ST−9700 の 姉妹機として登場したものです。
現在では オーディオ装置としてFM放送は 除外されましたが 当時 FM放送を録音して(エアチェックといった)楽しんだ物です。FM放送局は 現在でこそ たくさんありますが 当時 FM東京 と NHK−FMの2局しかなく NHKが 時間帯によって 各地からローカル番組を放送していました。(今は?)  平日の午後6時からや 土曜日の午後3時頃から午後6時までなどです。土曜日は 各地のNHKから 公開放送をしてました。ニュースの時間は ちゃんとステレオ放送から モノラルに切り替わっていました。いまは ずーっと ステレオのパイロット信号(19kHz)が出たままですね。また NHK−FMでは 朝9時に ステレオの試験放送もしてましたね。リコーダーの演奏で 左チャンネルだけ 続いて 右チャンネルだけなんて。
唯一の民放 FM東京(今は 東京FMと呼ぶらしい)も 落ち着いた雰囲気で 聞き応えがありました。夜に放送していた 「デンオン・ライブコンサート」や「ジェットストリーム」,「サントリー 音の本棚」 日曜の午後の「レコパル音の仲間たち」 土曜の午後は 「コーセー化粧品歌謡ベストテン」  そのあと 「ダイヤトーン ポップスベストテン」  平日の午後は 「ステレオ歌謡バラエティ」......日曜の朝は 「KDDミュージックオペレーター」 深夜には アルバムをそっくり全部放送する番組もありました。あげればきりがないほど出てきます。そんな時代のFMステレオチューナを メンテナンス(修理)に TRYしてみます。

回路図など 資料が用意できたところで 故障を探ることにします。

回路図を元に 信号をたどった結果 ミューティング用の リレーがおかしいのではないかということになりました。同じパーツは入手困難と思いますので(当然純正補修パーツは無いと思います。調べていませんが)似た機能のリレーがオムロンにあり ピンアサインも 同じではありませんが 類似していますので手配しました。

FM離調ノイズが リレーの手前のL401までは来ているのですが 出力側のR433には来ていません。また リレーの駆動電圧は 正常に来ていることから リレーではないかと 判断しました。

Technics TECHNICAL GUIDE を入手しました。

これで とりあえず受信できるはず。

これで 受信できると思ったら....

2008/04/22

例によって 資料探しから.....

故障原因を 調査

これが 問題のリレーです。REED RELAY と書いてあるので OMRONの REED RELAYを 選びました。

ついでに 他の部分も 再調整してしまおうと思います。

まず 電源回路から。
マニュアルに従って 電源回路の調整をしました。テスターで −12Vになるように VRを調整します。

続いて AGCの調整。ここは ほぼ 規定電圧でしたので そのまま。

調整中に 怪しいところを発見。テスターを少し強めに 抵抗のリードに当てると 電圧が 大きく変化します。半田不良と考え 周辺の部分を 再半田してみると 今度は 大丈夫のようです。

この電圧が4Vになるように 右の写真のVRを調整する

FM検波コイルの調整

1次側は ミューティングを OFFにして FM離調のイズが 最大電圧になるように調整するようです。


次に 2次側の調整が 少々ずれていたので センターチューニングメーターが 中央を指すようにあわせなおしました。(マニュアル通りです)

橙色が 1次側
緑色が 2次側

古いせいか 色が退色しているように見える。

リレーを実装してテスト完了です。

アンテナを接続して テストしますが 現在 SGの ステレオ信号を受信できています。

                            2008/03/03

SGでのテストが終わり いよいよ FMアンテナにつないだら 地元のNHKが やっと受信できるだけで 感度が著しく悪く だめです。

そういえば 実験中 はじめは アンテナ端子に リード線を 30pくらいつないだだけで FM放送が受信できたが 修理中は だめだった。

こうなると RFampの基板で 半田不良か トランジスタの劣化かと思います。

もういちど 調査しますが 現在 仕事が忙しく やってる時間がない状態です。
調査後 改めて UPします。


                             2008/04/12

SGから 80MHzの信号を出し チューナで受信。L1 L2に手を近づけても 受信状態に大きな変化がないのに 1stRFampのFETを通った後のコイル L3に手を近づけると 受信状態に大きな変化がみられることから このFETがくさそうです。
早速 このFET(3SK49)を 探すも 販売店が見つからず。
仕方がないので ピンアサインが同じで 似た特性であろう 3SK51と 交換してみたところ バッチリ受信しています。
これで 修理は 完了とします。

2009/03/30

3SK49 発見!

前回 3SK49の代わりに 3SK51をつけてましたが その後も 3SK49を 探していました。ついに ネットショップで このFETを見つけました。パーツが到着次第 オリジナルに戻そうと思います。

もう一台持っている ST−9300を マニュアルに沿って 調整していたところ 歪み率計を使って もっとも歪み率が低くなるようにコイルのコアを調整する項目で 歪み率が 調整前より およそ半分に出来たため 本機も オリジナルのFETにして 再調整してみる事にしました。

闇雲にあたるのは止して,資料を探すことにしました。
手元には 「取扱説明書」だけです。取説では仕方がないので 「回路図」を 探すことに。この手は オークションや webを 丹念に探すに限ります。以前 オープンリールテープデッキの回路図も オークションで入手しましたので。

 

状況の確認
・電源は入る物の 受信しない 当然 音も出ない。
・いただいた直後は 受信動作はしていました。しかし すこしたった頃から 受信もしなくなりました。