ニキシー管 電波時計を作ろう!

試作段階での話なのですが,電源にスイッチング方式のACアダプタを使用していました。受信ユニットの動作試験の段階では 006P(積層乾電池)を使い正常動作を確認していたはずなのですが なぜか動作しません。いろいろ試した結果,電源をトランス式のACアダプタにしたところ問題なく動作しました。
電源に パスコンをつけたり Lを入れてみたりしましたがNGでした。
今時 トランス式のACアダプタって 見つけにくいので困りましたが ちょうど秋月に トランス式のACアダプタが1種類だけあり助かりました。また 地元のハードオフに 同じ種類のコードレス電話用のアダプタが たくさん売っていて値段も¥105と,お手頃でした。


早速 動作試験をしましょう。
ACアダプタを接続すると ........
@JJY受信基板のLEDが 1秒刻みで点滅を始めてますか?点滅を開始するまで 1分くらいかかることがあります。ICが受信感度の自動調整(AGCという)をしているためです。

A時計本体は,00 00 00 から 1秒刻みのカウントを始めるはずです。

Bはじめは コロンに相当するネオン管は点灯しませんが,順調にいけば,1分〜5分程度で 1個だけ点灯するはずです。これは,受信データのスタート位置の検出にPICマイコンが成功したことを表しています。この瞬間から1分間 受信にエラーがなければ,現在時刻がニキシー管に表示され,残りの1つのネオン管も点灯します。もしエラーがあると 最初についたネオンランプが消え,もう一度データのスタート位置を探し始めます。

ジュンフロン線(黄色)で PICマイコンとホトカプラ間の配線をします。写真のように線の長さを調節して配線します。基板の図も参考にします。

制御基板にニキシー管専用電源基板を取り付けます。各端子は,スズメッキ線でハンダつけしておきます。

この基板ができたら,単独で動作試験をしましょう。
電源端子に仮に 006P電池を 極性に注意してつなぎます。どうですか?LEDが点灯しましたか?しばらくすると(1分くらい),LEDが1秒間隔で点滅しますか?
LEDがついた瞬間が正秒で,ついている時間(0.2秒 0.5秒 0.8秒) で,1や0のデジタル信号を送ってきています。
変に速く点滅をしている場合や,点灯したままや消えたままの場合は受信できていません。パソコンやテレビから離し,アンテナの向きを変えてみてください。もちろん,誤配線や半田ブリッジがないか点検することは言うまでもありません。
確認が出来たら 006P電池は 外しておいてください。

 ここで  おことわり
ニキシー管を ご存知ですか? 昭和40年代に 数字を示する素子として使われました。お店の屋上によく置いてあったアーケードゲーム機の点数表示にも使われていた事を覚えています。
そんな 懐かしい「ニキシー管」を使った 電波時計の製作をご紹介します。はじめは 単純に時計を作るつもりだったのですが,どうせやるなら 電波時計にしようと計画し,試作を重ねました。

本来なら 周波数の切り替えを,ソフト的に自動切り替えにすべきですが 今回は そこまでは 対応をしませんでした。
わずかな変更で自動切り替えにもなりそうです。マイコンのポートにまだ 余裕がありますし LANケーブルにも使っていない芯線がまだまだたくさんありますので みなさんで考えて下さい。私の次回バージョンアップで 対応しようかな?(次回バージョンアップは ほんとにあるかどうかはわかりません。仕事の合間をみながらです。)

ネオン管からのリード線を基板に配線しますが,目立たないように隠しましょう。

基板間を,スズメッキ線 接続しますが 
このとき ビニル線の被覆を利用して
絶縁することをお忘れ無く。
ご予算があれば 専用の 絶縁チューブを
使うと良いでしょう。

ニキシー管基板と制御基板を M3×50のビスと 40oスペーサで 仮固定します。
基板の向きに注意します。

ここで

@ PICマイコンにソフトを書き込みましょう!
A PICマイコン/ホトカプラ/ニキシー管ドライバ・デコーダICを ソケットにつけましょう

ネオン管は写真のように配線します。線の色に注意してください。他の色を使ってもかまいませんが線をハンダ付けする場所を確認しておいてください。

購入した ニキシー管のマウント用基板です。
もちろん ハンダつけ後 リード線はカットします。


6本のニキシー管が まっすぐ揃っていると,見た目にも美しいですね。

ジュンフロン線などを使い,2カ所を配線します。後の点検のためにも 線の色を写真のようにしておいてください。
ここは,5Vの電源をPICマイコンに供給するためのものです。

電源基板をつけたところ
取り付け方は 次の写真を見てください。

各パーツを実装した。(抵抗が1本付け忘れています。)

次に ニキシー管専用電源キットを 付属の説明書をみて組み立ててください。
電解コンデンサーの極性に注意してください。
過去に このキットを組み立てた知り合いが,電解コンデンサの極性を間違えて通電したところ 数秒後に大音響で破裂しました。


ここで テスターを使って所定の電圧が出てるか確認しておいてください。感電にくれぐれも注意してください。
私も試作中に感電しました。
指にやけどのような跡が出来ました。注意 注意。

ケースは 皆さんのお好みでお選び下さい。ここでは,ダイソーのメガネケースを選びました。基板サイズが
ピッタリです。(少々 加工が必要ですが)  ダイソー以外では,キャンドゥーでも 同様のめがねケースが
ありました。みなさんで お好みのケースを探してください!

電子部品
お約束

製作に要した総額はいくらになりましたか?市販の時計がいかに安いか驚きですね。でも,市販品にはない手作りのニキシー管時計ですから,製作した価値は十分あるとおもいますが みなさんどうお考えでしょうか?
先日 某大手ショッピングセンターに ニキシー管時計が販売されていました。(電波時計ではありませんでした。) 価格は,なんと68,000−!
俄然 製作意欲が湧いてきました。
ソフトを 自作されればより一層愛着のある作品になるでしょう。
今回のソフトは エラーチェックが甘めになっています。皆さんがソフトを作られる際は しっかりエラーチェックをして下さいね。

使用したネオン管は,手元にある使わない電気工事用のパイロットランプから外して使いました。
ネオンランプを新規に購入しても安いと思います。

写真のように HVどうしを リード線で接続します。
 ここは 160Vの高電圧部分なので ショートやハンダ付け不良があると危険です。心線の露出がないよう注意します。

スズメッキ線を つかって 各端子をハンダ付けします。
ハンダつけ後 元からカットしておきます。
この作業を 5箇所ともしておきます。

押しボタンスイッチは  日本開閉器のものですが 試作段階では秋月に激安で売っていたので採用したんですが もう取り扱いが無いみたいです。
通常価格ですがパーツ店にて入手可能です。

残りのパーツは 一般的なものですので 極性に注意すれば okですね。下の写真は パーツの実装図です。

私の使った実装方法は こちらで 紹介されている方法です。
最後に 余分なハンダを除去するときは ハンダ吸い取り線 を使いました。

基板データのダウンロードは こちらから

早速 製作を始めます。

まず プリント基板を製作します。
ニキシー管をマウントするプリント基板は,出来ているものを購入することにしましたが,PICマイコン側の基板と JJYの受信基板を自作します。ユニバーサル基板ですべてを自作してもおもしろいのですが プリントパターンは一部の配線にとどめておきます。
さらに ニキシー管のマウント基板と2階建て構造に出来るように工夫します。

感光基板の作り方は,サンハヤトのホームページを ご覧下さい。

使ったのは PCBE という プリント基板CADです。フリーで直感的に使える大変便利なソフトです。

完成予想図です。こんな感じになります。JJY(標準電波)のアンテナは 外付けです。受信状況により 本機より 50pくらい離してください。鉄筋コンクリートの住宅内ではうまく受信できないかもしれません。そのときは 窓の近くに LANケーブルをのばしてアンテナをおいてください。
当初は,アンテナを内蔵したかったのですが,PICやインバータ回路からのノイズで受信状況が悪くなってしまったため外付けとなりました。

  電子工作は 製作される方の自己責任です。市販の製品のように けがや災害を十分に検討したものではありません。万一 事故や災害が生じても「kon」は 一切の責任は負いません。

C 受信データにエラー(受信障害)がなければ 最短2分で 時刻が表示されます。
  いくら待っても NGの場合は,配線の再確認や アンテナの向きや 場所を変えてください。今回採用したアンテナは 指向性があります。(8字指向性と言います。)
  受信周波数の切り替えは 正しいですか? 東日本 北日本 では 40kHz 福島県に切り替えてください。また アンテナの指向性を 福島県に向けてください。
標準電波が 機器のメンテナンスのために停波していることもあります。こちらのリンクから 送信状況が確認できます。
 アンテナの場所は,テレビやパソコンから 可能な範囲で離してください。実験では 1m程度離れていれば 受信できました。意外と受信に悪影響のあったのが インバーター式の蛍光灯でした。

  書き込むソフトは こちら です。ダウンロードしたファイルの 「.txt」を 削除して書き込んでください。書き込んだら ソケットにさしてください。

ニキシー管専用電源基板の四隅の穴に M3×10のビスを入れ,ナットで締める。
その後 製作した制御基板に差し込み,ナットで固定する。基板の向きに注意してください。

LANケーブルをハンダ付けする。8本の線のうち 4本だけを使う。
ダイソーのLANケーブルは より線が使われていて 柔らかく このような目的には最適。

ハンダ付け後 ロックタイで 固定しておく。

JJY受信基板に パーツを実装するのですが,ここに本機製作のおおきなヤマがあります。もうお気づきかと思いますが,受信専用ICの小さいこと!くしゃみでもしようものなら どこかに飛んでいってしまいそうです。くれぐれもご注意ください。

製作した プリント基板 (上は制御基板 下は受信基板)

上の制御基板は ニキシ管のマウント基板と2階建て構造に出来るようにしました。
パーツリスト エクセル形式

使用するパーツを集めます。
私の購入先などもあげておきます。参考にしてください。オークションなどを活用するのもいいかもしれません。

お約束

IC側と 同じ記号(0〜9)間を結線します。

2 8 9番は すでにプリントパターンで接続済みですから リード線でつなぐ必要はありません。

ネオン管からのリード線を 制御基板に接続します。

    (写真は 試作段階のものです)

このようにLEDが点滅します。
画像をダブルクリックすると再生します。

時刻データの先頭ビットを見つけると
ネオン管が1つ点灯

データにエラーが無ければ時刻を表示し
ネオン管が2つとも点灯
データの受信には1分必要です。

LANコネクタを利用しましたが LAN機能はありません。
お約束

・電源は ACアダプタとし 直流12Vを本体に供給。
・本体には,電源端子,標準電波アンテナ端子,強制受信スイッチのみとします。手動で時刻設定のスイッチは設けません。
・正確な時計を目指します。よって,標準電波の受信で時刻を1日4回合わせます。(2時50分 8時50分 14時50分  20時50分)
・制御は PICマイコンを使用します。
・受信する標準電波JJYの周波数はスイッチによる切り替え式とする
・内部には高電圧部分があります。感電のおそれがあります。完成後ご家族などに 十分ご注意下さい。
 (プラスチックのケースに入れて安全対策をします。)

お約束
お約束
回路図は 下記のようになっています。(クリックするとpdfとして ご覧いただけます)
お約束
お約束
お約束
お約束
お約束
面実装ICの半田付け
電源系の配線
電源系の配線
電源系の配線
電源系の配線
電源系の配線

SN74141と ニキシー管の間の線を ハンダ付けします。

リード線を制御基板から 出しておきます。
余裕をみて 30pと長めにしておきます。あとで 適切な長さに切ります。長いままだと きれいに仕上がりません。

(写真は 試作段階のものです)

LANコネクタの....

1番端子 ・・・・・・・・・ 黒リード線 (電源GND)
2番端子 ・・・・・・・・・ 赤リード線 (電源 +5V)
4番端子 ・・・・・・・・・ 黄リード線 (信号)
5番端子 ・・・・・・・・・ 青リード線 (信号GND)

電源系の配線

LANコネクタや電源コネクタと 制御基板を接続します。

制御基板に パーツを実装します。

ICは ICソケットを使いました。ICソケットにも向きがあります。
この時は ICはソケットにまだ挿しません。

写真をよく見てください!基板には ネオン管の穴が4つあいています。気をつけてください。

電源系の配線
電源系の配線
面実装ICの半田付け
電源コネクタの接続について

仕上げはお好みのケースに入れ 完成となります。私は ダイソーで 調達しました。

ジュンフロン線(白色)で PICマイコンとニキシー管デコーダ/ドライバ用IC(74141)間の配線をします。写真のように線の長さを調節して配線します。基板の図も参考にします。

ダイソーのメガネケースに入れました。
基板の一部がケースのマグネットにあたるので
削りました。
また ケーブルの引き出し口になる部分のメガネケースを削ってあります。

写真のメガネケースは 本来はミッキーマウスのキャラクターが印刷されていましたが,コンパウンドを使って印刷を取ってしまっています。

基板の一部を削るとケースに収納できる

ケースの周波数切り換えスイッチ部分を削りました。これで ケースの外から周波数を切り換えられます。
(実はスイッチのレバーがケースにあたってしまうのがホントの理由です。)

写真の向きで レバーが上向きで はがね山標準電波送信所(60 KHz)  


レバーが下向きで おおたかどや山標準電波送信所(40 KHz) です。

面実装ICの半田付け

この図は 使用するACアダプタが センタープラスの場合です。
もし センターマイナスのものをお使いでしたら 赤と黒のリードを逆にしてください。