初回掲載    令和2年1月14日

Technics RS-1500Uを修理する  その2

直ったと思っていた1台目の機体で 電源をいれた直後などに ロックがかからないようなときがあります。
気持ち悪いので 今回の2台で いいとこ取りをしようと思います。


1 キャプスタンモーターや リールのテンションコントロール,ブレーキ機構は 2台目の方が良好

2 ヘッドブロックは 絶対 1台目!

3 VU計は 2台目が ランプ切れがない

4 テープカウンターは 1台目


ということで いいとこ取りをして また しばらく ランニングテストします。

テープスピードが安定しないのは キャプスタンモーターの制御回路で クォーツロックしないことが原因です。以前,同様の症状のデッキを修理したときは 波形整形回路の 複合トランジスタが原因でした。今回も このトランジスタを交換してみましたが 違ったようです。

ほかに FETを 4個 (2SK66と 回路図にはありますが 2SK30が 使われていました)を交換。
これでも 決定的に改善されることはありませんでした。

そこで TP901に オシロと 周波数カウンタを接続して 状況を観察しました。
たしかに,オシロの波形が 時間軸方向に揺れています。
周波数カウンタも 38cm/sの時は,1024Hzのはずですが950Hzあたりです。

そこで 半固定抵抗 VR901 と VR905を調整したところ ロックがかかり 写真の様に 安定した正弦波と カウンターで マニュアル通りの1024Hzを確認し,改善したようです。
デッキのストロボスコープもぴったり止まっています。

 今回,2台の RS−1500Uを修理することになりました。
 
 1台目は ホントに修理するもので もう一台は 部品取り機として お預かりしました。

 もったいないので 2台とも 修理してみます。見てみると 製造時期が違うのか 基板が少々異なっていました。機構部分も 違っていますね。

テープカウンターのベルトが欠落していました。
ベルト自体は 以前 ヤフオクで 補修用ベルトセット と称して サイズいろいろで 数十本をセットになっているものを購入していました。この中に 使えそうなベルトがあったため 流用。

テープカウンターのベルトは 同じサイズが 2本必要です。
もちろん 本体の内部ですが リバーシングローラーから プーリの間に1本,プーリーから カウンターユニットのプーリーに1本かかっています。
リバーシングローラーにベルトを掛けるには リバーシングリーラーを 一度外す必要があります。本体内部の 10mmのナット1個で外せます。菊座金が入っていますの注意。
また、ベルトの通り道の関係で フライホイールユニットを外す必要があります。重いので 取り扱いは 慎重に。6角ねじ4本で外せます。

このデッキは,よくある症状で,巻き戻しや早送りのときに「カー」という 耳障りな音がでることがあります。
ベルトが2本とも切れているときに,この音が出てましたので,リバーシングローラー部分に グリスをちょっとだけつけておいた方が良いかもしれません。

あわせて 途中のプーリーや カウンターも グリスをつけた方が良さそうです。

最終テスト中の本機です。録音テストをしています。

では,録音テストです。録音・再生ともとりあえずできていますが 片チャンネルのレベルが低いようです。
そこで 原因の切り分けをしていきます。
・ヘッドブロックを 交換してみる
 ヘッドブロックを 交換してみたところ 問題点が解消。
 ということは ヘッドブロックが 原因と判明。ヘッドをよく見てみると 2T再生ヘッドが明らかに傾き具合がおかしいです。
 前オーナーが ヘッドブロックのアジマス調整ねじを回してしまったということです。
 これは ちょっと手に負えないかな?

サービスマニュアルには テストテープを使った調整方法もでてますが。

テストテープがありません。アマチュア的には 自分のデッキを標準機として テストテープもどきを作って 調整をする手もありますが。

テープをセットして録音・再生のテスト

テープカウンター

ブレーキの強さ調整は Screw(J) と Screw(I)をゆるめて調整。

近所のホームセンターでみつけたのは カー用品のコーナーにあった 写真のベルト鳴き止めスプレー ¥780 でした。

早速 今回のブレーキシューに 吹きかけ 数分待ってから リールドラムを元通り組み立て。

テストの結果,ブレーキ機能は 完全復活。かえって ブレーキが強すぎるため デッキの調整ねじで ブレーキを弱めにセット。

100円ショップの手芸コーナーに ちょうど良さそうなフェルトを発見。これで 試します。

これで試しましたが ブレーキは改善できませんでした。そこで次の一手。
このフェルトに 滑り止めのスプレーをかけてみようと思います。

さて テープをかけ,巻き戻し 早送り動作をしてみると どうやら ブレーキが 甘いようで 停止すると リールが停止せず テープが緩むため 次の動作に支障をきたしす。
そこで リールブロックを はずして,ブレーキの調整をしてみる。

ブレーキ調整は 天板を外し,左右の板をとったあと,左右についている電源基板や リールブロックの基板を外すとやりやすい。

調整では 症状を改善できなかったため ブレーキシューを交換することにする。
当然 部品は手に入らないと思うので(調べていませんが) 代用品を探します。

まず 電源が供給されていることを確認。

この基板の電解コンデンサに液漏れを見つけたため 大多数を交換。しかし 症状に変化はない。

2個のモーターが 同じように動作しないことから 2個のモーターに共通した部分が 故障しているのではないかと予想。

回路図の 50kHz発振回路が動作していないのではと考え,オシロで見てみると 信号がない。

予想が当たったか。

 2SC825を 基板から外し,トランジスタチェッカーで見て見るも 異常ないとの診断。とりあえず 手持ちの2SC1815と交換。

基板を元に戻し オシロで見てみると 発振を確認できた。
これで 無事にリールが 左右とも回転した。
トランジスタチェッカーって 当てにならないのかな?

つづいて、1台目と同じように FG信号をオシロで見てみると 同じように クオーツロックがかかっていない。
半固定VRを調整したところ オシロの波形からロックを確認。
周波数カウンターも 正常値を表示。
ストロボスコープも ロックを確認。

2台目(令和2年1月22日開始)

 
 ・リールモーターが回転しない

ほかに いくつかの電解コンデンサを交換して 様子を数日見てみることにしました。


VU計のランプについて

 このデッキのランプは トランスから直接電源が来てます。電圧は AC6Vです。よって 8V用あたりの電球が良いようですが 入手難ですね。

最終更新    令和2年2月22日

戻る

しばらく ランニングテストしてみると.........

テープスピードが 安定しないとのことです。
また VU計のランプ切れを確認しました。

これで テープカウンターもokなのですが 私の場合は カウンターユニットも 結構ダメージがあるようで スムースな動きにななりませんでした。ベルトや プーリーは 見たところ問題なく回っているようですが ここは あきらめることにしました。

カウンター 入れ替え中!

カウンターパネルにかかっているバネをかけ直しには
分解すると作業が効率的です。

1台目(令和2年1月14日開始)

巻き取り側のリールブレーキがあまい