初回   2015/12/25        2016/01/18
更新   2015/12/28        2016/01/20
      2016/01/06        2016/01/21
      2016/01/09        2016/01/26
      2016/01/15

テスターで調べると B−C間のショートを確認。故障の原因は このトランジスタのようです。
早速 取り外して 代用可能なトランジスタに置き換えます。
もちろん 同じトランジスタが手に入れば 申し分ないのですが 入手出来ませんでした。

そこで調べると 海外のサイトで 交換可能な 現行品のトランジスタが 紹介しているのを 見つけました。

2SA1987-O/2SC5359-O です。しかし 単純には置き換え出来ません。理由は オリジナルの0D−503Aの ピン配置が 特殊なんです。
よって 基板の裏で ジャンパーを飛ばすしかなさそうです。
また 放熱器への取り付けのねじ穴を開ける必要がありそうです。もちろん ネジも切らないといけませんので面倒ですががんばります。

ショートがあったのは 左チャンネルだけですが 左右で違うトランジスタを使うのもどうかと思いますので すべてのトランジスタを交換することにします。

Technics SE-A3 を修理する

電源トランスから 2系統の電源が供給されています。しかし 今回 他のヒューズが溶断していないことから アンプの終段に電源を供給しているラインが 可能性として濃厚。
このあたりから 調べることにします。

余談ですが,今回焼損したチャンネルの電源ヒューズが切れていますが 生き残った方の右チャンネルは 音が出るはずとおもい テストしたところ 音が出ません。

理由を調べると ミューティングのリレーの電源が 今回不良のチャンネルの電源から取ってるんですね。

電球(麦球)の代わりに 電球色のLEDにしようと思います。そうすると 直列に抵抗を入れることになるのですが,この抵抗を追加するのにもってこいのパターンが基板上に存在するのです。
R252などと 抵抗の番号が印刷されていますが,実際にはジャンパー線がハンダ付けされています。
このジャンパー線を外して,LEDの電流制限抵抗をつければ スッキリと取り付けられます。
電球5個のうち 4個分は パターンが基板上に出来ています。今回 LEDにするのは切れていた電球だけのつもりなので,スイッチの基板上に抵抗を付けました。
写真は 抵抗を付けた状態です。

正面パネルの インジケータ電球が 3個切れています

片チャンネルの トランジスタ「0D−503A」を テスターで検査しました。

4個中 3個で C−B間ショートや B−E間ショートが確認出来ました。

新たなトランジスタを取り付けるために トランジスタ固定用の穴をあけなければなりません。
このため オリジナルのトランジスタの外形寸法を知る必要がありますので 簡単な図面を作成しました。

2.故障箇所の特定

Technics SE−A3 は 1979年の暮れに発売された パワーアンプです。

電源を入れたところ パシッ と音がして ヒューズが切れた ということです。
『ジャンク』ということで いただきました。

いつものように サービスマニュアルをみて 回路図から検討してみたいと思います。

パワーアンプのメインユニットを 取り外します。
これが 結構大変です。

電源のバスラインを ハンダを吸い取りながら 外していきます。この作業に かなりの時間と根気がいります。

調整は サービスマニュアルに従ってしました。

DCバランスは,電源を入れて 20分くらいしてからしました。

意味の無い ジャンパーのパターンが ありますね!
これ 活用できます。

つぎは 正面パネルの インジケータ電球が 3個切れていますので交換します。

しかし この麦球がやっかいです。現在入手出来るのは 12V 80mAのものです。ここで使われているのは 12V 40mAの電球。
べつに気にしなければいいのかもしれませんが 電流が2倍になると言うことは 電力(発熱)は 4倍になると言うことです。

しばらく考えましたが LED(電球色のもの)に交換することにしてみます。もともと 直接 この光が見えるわけではないので こだわる必要も無いかもしれません。

調整

パワーメーターの動きが....

電球色のLED  秋月電子で購入

基板のハンダ面で パターンカットと ジャンパーで トランジスタを配線します。PNPトランジスタが エミッタとベースが 逆ですので。

そして 元通り組み立てます。と 一言では言えないです。組み立てには コツがありました。
メーカーで製造ラインに乗ってるときは手順通りですが 修理では よ〜く考えながら作業しないといけません。

さて 動作テスト。OKのようです。

こちらは正常動作しているチャンネルですが 左右でパワートランジスタが違うのはいただけませんので
交換することにします。

トランジスタを取り付けます。もちろん シリコングリスをたっぷり塗ります。

図面を元に ネジ穴(M3のネジなので 下穴は 2.5o)をあけ タップで ネジを切ります。

3.調査・修理

このアンプは 電源トランスが 左右独立の構造になっています。溶断したヒューズは 片チャンネルの 電源トランス1次側に入っているもののようです。

この電源の負荷に問題があると予想されます。

元のオーナーより話のあった箇所を確認します。
確かに ヒューズが溶断しています。回路図で 溶断したヒューズを確認してみます。

毎度おなじみサービスマニュアル

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車から降ろす前に 撮影。

いやあ 重い。

やっとの思いで 顔を出した 終段の複合トランジスタ。片チャンネルに4個あります。

パワーメーターの動きが 少々難あり。原因は パワーメーターをON/OFFしているリレーの接点接触不良。

おなじみの 松下製 HB2 リレー です。電磁コイルの定格はDC24V。

DC24Vのリレーは,パーツ屋さんで安値で売られています。

交換した HB2リレー

これで しばらく エージングテストしてみます。

回路図をながめて 終段のパワートランジスタが原因でなければいいなああ
 なんて思いつつ 調査を始めます。なにせ このトランジスタ 入手難ですので。

赤のラインは +75V電源ライン  青のラインは −75V電源ライン

オリジナルのトランジスタを 取ります。

また 放熱器の上半分を 取らないと,この後の行程に支障が出ます。

元通り 組み付けて 動作試験しました。詳細な調整は この次として 音が出ることを確認。
残りの もう片方のチャンネルの トランジスタ交換作業に入ります。

これ以外に パワーメーターの校正作業がありますが 省略!

本体の底カバーを開けたところ。 写真右の ヒューズ F1 が 溶断してます。10Aのヒューズです。

1.現状の確認