Technics ST-8200 FM/AM STEREO チューナー
           ワイドFMをどこまで受信できるかな?の実験
 + ウッドケースに入れる

6 完成

  510円で入手したチューナーで遊んでみました。
  webに サービスマニュアル(テクニカルガイド)はあるんですが、解像度がちょっと低く、回路図などの判読が難しいのがちょっと残念です。

  使った板は、別な工作で使った「コンパネ」の端材です。
  「コンパネ」の値段が上がりましたね。数年前と比べて2倍でした。端材も 捨てられないです。
  「コンパネ」は 他の材料と比べて価格が安くていいのですが難点が一つ。製造時に使う接着剤のニオイが抜けるまで臭いということです。合板にスタンプが押されていますね。F☆ のマーク。
  ☆の数が少ないと ホルムアルデヒド の放出量が多いそうです。最も少ないのは F☆☆☆☆ みたいです。間違ってたらゴメンナサイ。
  修理 〜 FMワイド化 〜 ウッドケース まで楽しみました。出費。仕方ないですね。趣味なんで。

純正のオプションは、SH−780。当時の価格¥4000。写真は、こちらにありました。
写真を参考にして、手元にあった端材で作ってみた。ボンドが乾くまで放置。
どう塗装しようか。切り口の処理をどうしようか。
ホームセンターの店頭を見て回り、検討します。

電球の定格が書いてある。
電圧6.3V用ですが 12Vラインにつながってます。

オリジナルの目盛り板と同じような色の紙を購入(A3サイズで10枚400円 タント紙100kg 色名 Y−8)、これに作ったメモリをプリントアウト。
A3サイズだから家庭用のプリンタでは難しい?

局発トリマ

カバー範囲を76〜95MHになるよう目標にします。

初期状態では、76MHzより少し低い周波数までカバーしていますが、ここは ダイヤル左いっぱいを76MHzにしようと思います。
そして、ダイヤル右いっぱいを95MHzにしたいと思います。
日本のFM受信機は、受信周波数より IF周波数だけ低い局部発振周波数となりますので 65.3〜84.3MHzが局部発振になるはず。
(本機のIFは、基本10.7MHzですが、個体によりセラミックフィルターのばらつきにより少々ずれています。フィルターについている色のマーカーで識別できます
私の場合は、マーカー色が「黒」だったので 10.65MHzでした。)
周波数カウンタで測定すれば手っ取り早いと思ってました。実際に周波数カウンタを当ててみると うまく測定できない。周波数カウンタの
プローブの静電容量が影響して測定できませんでした。(私の場合は)
そこで、ダイヤルを右いっぱいにして SSGで信号を出しながら 受信周波数を探ってゆく方法をとりました。
局発トリマを少しまわしては、SSGで受信周波数を探る。
次に、ダイヤルを左いっぱいにして、76.0MHzが受かるように局発コイルのコアを調整する。
これを繰り返しながら受信範囲を広げていきました。
この調整では、76.0〜93.7MHzがいっぱいでした。
そこで、局発トリマと並列になっている 7pFのセラミックコンデンサの静電容量を減らしてみることにしました。
5pFで試してみることに。
セラミックコンデンサを交換して、調整を繰り返したところ、目標の76〜95MHzにできました。

このあとは、トラッキング調整です。

77MHzを受信して、RF段のコイルで受信感度をあげる。次に 93MHzを受信してRF段のバリコントリマで感度を上げるを数回繰り返して
トラッキング調整は完了。

注意点は、トリマコンデンサ、コイルとも コアドライバなどを使うことです。正しい工具を使わないと壊してしまいます。

交換した半固定抵抗器(10kΩ)

RF段トリマ
(アンテナコイル)

RF段トリマ

局発コイル

RF段コイル

1 まずは初期動作テスト

 ST-8200 は、オーディオの全盛期で、 FM放送が、まだ音楽ソースの主役であった時代、「エアーチェック」が盛んにであった時代に発売されたチューナーです。
この時代のチューナーは 音楽を楽しむばかりでなく佇まいを同時に楽しめることで、好きです。
部屋の照明を少々落とすと、真空管アンプのヒーターからオレンジ色の光がポーとみえ、チューナーのダイヤルやメーターの照明ランプ、オープンリールデッキの
VU計のランプなどが浮かび上がる。そして、ゆったりと音楽を楽しむ。なんとも、贅沢な時間だと思います。
私は、ST−9300を使っていますが ヤフオクで見かけ、ついついポチッとしてしまいました。
価格も 510円とFBです。(すみません。FBはアマチュア無線用語です。すばらしいという意味です)
 今回は、局部発振回路を調整して ワイドFMの範囲の受信をしてみようと思います。
ワイドFMとよばれる 90.0〜94.9MHzに AMラジオ局の放送が送信されています。私の地元でも、AM局の中継局の停波が当初の予定を延長して続いています。
このまま終了なのかな? AMラジオが終了に向けて着々と進んでいるようです。車のラジオは ワイドFMに対応しません。

AMラジオ放送という一つの時代が終わろうとしています。(NHKと一部の民放は残るらしい)むか〜し、日本全国のAMラジオのベリカードを集めた頃を思い出しています。

RF段バリコン

ステレオにならない ランプが点灯しない件

結論から書くと、ステレオ復調ICのVCOを設定する半固定抵抗の不良と、電球切れでした。
VCOの調整用半固定抵抗 (10kΩ)ですが テスターで確認すると 16kΩありました。この時点で、疑えば早かったんですが時間がかかってしまいました。
IC周辺の電解コンデンサを外してチェック、基板のスルーホールの導通確認など一通りやったあと、はて?と思い、半固定抵抗をチェックした次第です。反省。
半固定抵抗をまわしきっても 0Ωにならない。最小2kΩでした。半固定抵抗を 交換して、VCOを調整。19.000kHzに調整できた。

塗装中

令和6年(2024年)11月16日(土)

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チューナが収まるか確認

5 ウッドケース

 web情報で、純正のウッドケースがオプションであったらしいです。ウッドケースに入った写真もありますね。これは自作したくなりました。

関係の無い話ですが。。。。。
メーターの下の照明電球部分です。メーターの明るさを制限するためか
穴あきのテープが貼ってある。
なかなかこまかなことまで気を配っている作りに感心した。

元の場所に取り付けた様子です。

元のリード線に代替の電球をハンダつけし、
熱収縮チューブをかぶせた
あえて、LEDにはしませんでした。

切れた電球 と 交換する電球

アンテナ入力段

音は 確かにステレオになりましたが ステレオランプが点灯しません。電球には電圧が来ていますので 電球切れ。定格は 回路図では 6.3V 45mAみたいです。

ネジが錆びていたので
  ステンレス製のネジに交換(4本)
6角レンチをつかうステンレスネジ M6×10

FMが95まであるでしょ!
      (写真が解像度不足でした)

ネジが1本 欠品だった。
似たネジを入手し、少々加工して取り付け

メモリを自作して 貼り付けた

4 ステレオにならない。ステレオランプが点灯しない

5pFに交換

局発バリコン

これはAM用

これはAM用

3 目盛り板をつくる

ワイドFM受信をするようになりましたので、目盛りが合わなくなりました。目盛り板を作ることにしました。
ところが、この目盛り板ですが、強力な両面テープ?で貼ってあり、剥がすことを断念。
薄いクリーム色の紙に、CADソフトを使って目盛りをつくりプリントアウト。切り抜いて貼る作戦。

局発トリマ

0.はじめに


 購入時 「ジャンク」ですので 初期動作テストをした結果、音がでませんでした。AM・FM・ピンクノイズ(このチューナ特有のモード)ともに出ない。
スイッチを何回か切り替えたところ、一瞬 音が出たので、スイッチ接点の汚れ?であろうと判断。
接点クリーナを少量使ってみた。無事に回復しました。 FM・AMともに放送の受信を確認しました。

いかがですか? このたたずまい。
これが いいなぁ〜 と 思ってるのは私だけ? ですね。

こんな 記事を書いていたら ニュースで 神太郎さんの訃報が報道された。神太郎さんといえば、このチューナーが販売されていた時期 まだ国内に民放FMは4局だった時代、
日曜日の昼の放送 「東芝ステレオサンデーミュージック」 に出演されていました。
番組テーマ曲もよく覚えています。

https://kamifu1958.exblog.jp/23808313/

FM放送番組の話題ついで。土曜の午後1時だったか? コーセー化粧品歌謡ベストテン ご存じでしょうか。この番組テーマ曲のCDを見つけ 買ってしまいました。
オープニング や エンディングテーマ曲が収録されてます。
それから、平日の午後に FM東京で放送されていた ステレオ歌謡バラエティー の 番組テーマのレコード (こちらはシングル盤) も見つけた。

大きな穴が空いているのは チューナーの底面の放熱穴をふさがないためです。

切り口の処理は工作用の2o厚の木材を貼り付けてみました。

続いて、チャンネルセパレーションの調整をしたが、元の位置で問題無かったようでした

交換する電球が純正ではないので この抵抗を調整した。

180Ωが入ってますが、120Ωに替えた。消費電力を計算すると 1/2W以上必要
実際に点灯させてみると もうちょっと減らしてもいいかと思います。少し暗めですが 電球をゴムパッキンに
差し込む量を調節してSTEREOインジケータのレンズに電球が近づき結果的に明るく見えるようです。

電球に直列に抵抗が入ってる。

※ バリコンにCRC556など 絶対にかけちゃダメです。取り返しがつかなくなるそうです。

このような感じです。分解ついでに、パネルやツマミもきれいに洗いました。

写真は、愛用のコアドライバーセットです。

2 ワイドFM化

初回掲載:2024年(令和6年)11月10日

ウッドケース塗装

はじめに、木部保護ペイント「水性マホガニー」で塗った後、水性ウレタン塗料の「つや消しエボニー」で塗りました。
塗り重ねるうち、木目のような模様ができて(たまたま)良かったと思います。

不良の半固定抵抗器

VCOを調整

交換する
セラミックコンデンサ

局発コイル